Queen of All Ears

ジョン・ルーリー氏率いる The Lounge Lizards ,
98年のレコーディングなので、
メンバーはかなり入れ替わってはいるけれど… 

いいわ〜! 買ってよかった〜 ≧(´▽`)≦ 
Thanks to ワタリウム美術館
(ジョン・ルーリー/ドローイング展〜5/16開催中)

ラウンジ・リザーズ…80年代の青山のクラブで、ニューヨークのライブハウスで、
幾度かまそばで彼らの演奏を聴く機会があった。とにかくカッコ良かった。
管、弦、ピアノ、ドラムス、パーカッション結構な大世帯から繰り出される重厚なサウンド。でも不思議な調和感で、微妙な狂いを小粋に自在に遊んでくる、それがひとつになる。ひとつになる。あー仲いいんだ〜、みたいな。
みずからフェイクジャズと称し、俺たちインチキなんだぜっと、
斜めに背を向ける粋がりが、むしろチャーミングで、同時に、自らの才能を持て余しているかのようにも見えた。実は音楽に対して限りなく真摯で、とても大きなリスペクトがあったからではないのか。

ジョン・ルーリー氏は、『ダウン・バイ・ロー』や『ストレンジャー・ザン・パラダイス』といったジム・ジャームッシュ監督の映画にも主演。シーンの変わり目にもたらされる、必要以上と思える尺のブラックアウト。居心地の悪さと同時に、不思議に(だからこそ?)圧倒的な光への欲求を感じた。新しい扉への期待感でカラダ全体が膨張するような静かながら激烈な衝撃を受けた。

でも言葉を発するにつれて、シャープな角が取れ、当時の匂いや味が薄まってしまう気がしちゃうね。
少なくとも私にとってはそういう、とてもフラジャイルな魅力に溢れた作品だ。

聞けば、難病を患い、一切の音楽・映画活動を休止して絵筆だけを表現のツールとしていたのだそう。 この98年のアルバムジャケットも彼の作品が使われている。無垢でピュアでちょっと哀しい。

人は、魂は、旅をする。
螺旋をのぼって、旅をする。
そのカーブした坂道をたどりながら、人は人に出会い、
その時真に豊かなる歓びを与え合う、分かち合うことのできるのは、無垢でピュアで、ちょっと哀しい表現を通してなのかもしれない。
ありがとう。

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