2010/06/06

自由な魂と肉体の旅立ち…大野一雄氏







舞踏家の大野一雄氏が旅立たれて5日。


「ラ・アルヘンチーナ頌」を観たのは、もう随分前なので記憶が交錯しているけれど、
転形*のT2スタジオだったろうか…。。
同演目の初演が御歳71歳だったと知ったその時にすでに驚愕していたのをはっきりと覚えています。
観客との見えないエネルギーの交換を、確信犯的に遊ぶがごとき完璧に自由な魂と肉体を目の当たりにして,痛快で笑いをこらえきれませんでした。
深刻さなどとは縁遠く、果てしなく、宇宙へひろがり一体化する肉体と魂がとても自由に感じられたのでした。
美しくて、滑稽で、純で、潔くて、愛に溢れている、その存在。
当時新しいダンスの地平を求めて仲間と作品作りに日夜没頭していた日々…変化を求める時に、人はどうしても怖れや不安が出てきて当たり前なのですね。 


そんな時この舞台に遭遇した私たちは、限りない勇気とエネルギーをもらい、意気揚々と劇場を後にしたのを覚えています。
それから、またほぼ10年後、湘南台文化センターでの舞台を体験。 

そこでの大野さんは、とてもやわらかくて、フレンドリー。

地上に降りて来た天使のように優しく、より近しい感じがしたのでした。

やっぱり観客のエネルギーと融和することって大きいのかな。

同じ演目でも、全く違う質が現れてくる気がします。

それからずっと舞台は見ていないけれど…日常の様子も含めた、

ドキュメンタリーを見る機会が何度かありました。 

正直少々複雑な思いも持たざるを得なかったけれど…
この大いなる父であり舞踏家を、表現者としても演出としても支え続けた、


慶人氏の大きさもまたあらためて感じるようになったのは、その頃からです。


何か使命を淡々と全うされるかのようなひたむきな姿勢が美しいと勝手ながら心から感じたりしています。
目の前の現象、人もモノも、すべて自分の幻想なんですね。どう見えるか、自分の魂の現れであること。
また気づかされるのでした。

とまれ、103歳で、その肉体を全うし解き放たれた大野一雄さん。。。
舞台を通して、はかりしれない愛とインスピレーションをいただいたことは
かけがいのないシアワセです。ありがとうございました。
彼岸でもどうぞ自由な魂をさらに輝かせていらっしゃることを、お祈りいたします。


※転形劇場とは、故太田省吾氏が主宰・演出をされていた劇団。沈黙劇に代表されるように、役者さんたちの身体の密度がものすごく高く、常時ストイックな緊張感が舞台上に漂っていました。人間の奥深くまでとらえられたまなざしが、見る者にある種の諦観や温もりや、相対するさまざまな感情を呼び起こしてくれました。一瞬も見逃せないような向き合い方が観客にもつきつけられるような…静謐でかつテンション高い時空間。かつて大杉蓮氏などが所属されていました。

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