永遠を遮る音


心臓の鼓動を

エンプティな耳を押当てて、静かに聴いていた。 

普段はひらったくしか聞こえない

何万回も「大事にしましょう」なんて

繰り返されて、使い古された

「いのち」とかいう言葉が、

忽ちリアルに愛おしくなった。

そうして たまらなく後悔の気持ちが溢れてきた。



あなたがあなたとして在る証し、

そのリズムをもっと聴いておきたかった。

聴いておけばよかった。



何がよかったのか。

そんな風にあなたの「いのち」を一度でも感じていたなら

ひとつの深呼吸だけで十分に

開かれた時間を心から尊く感じて

互いに優しく踊れたはずだもの。


終わりもなくはじまりもない今

永遠という偽りが削除された幸福な時間。








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